名将、小川良樹監督勇退パーティ

先日、母校である下北沢成徳高校バレー部

小川良樹監督の勇退パーティがありました。

成徳バレー部42年の歴史。歴代卒業生たちが大集合。

 

下北沢成徳といえば、全国優勝を何度も果たし

幾人ものオリンピック選手を排出している名門。
(自分で言っちゃった💛)

そんな誇り高き母校を築き上げて下さった

私にとって、

そしてきっと全バレー部卒業生たちにとって

人生に最も影響を与えたであろう偉大な恩師。

 

当時は中等部からあって、

私が成徳に声をかけてもらったのは小学生の時。

なんにも知らなすぎて

これといった目標ももっていなくて

ただただ普通に地元の中学に進学して

楽しく過ごせればよかった私は

なんのご縁か流れに身を任せるまま

卒業間近に成徳学園中等部への進学を決めました。

それはそれはもう軽い気持ちで。

 

初めて体育館に降り立った日の

心臓を抉られるような圧倒的緊張感…

「これが全国トップレベルのチームの空気か」

「なんて場違いなところに来てしまったんだろう」

「自分はこんなところで6年間もやっていけるだろうか」

入学早々に深々と後悔したことを覚えています(笑)

 

そんな私でしたが、なんの因果か

中学、高校とキャプテンを務めることになり

卒業後二十年以上経っても

「歴代1、2を争う怖い主将だった」

と、ことあるごとに言われています。

 

「怖い」というのは「厳しい」という意味だと

自分なりには解釈していますが

小川先生こそがまさに、温かくも厳しいひとでした。

その異色の「厳しさ」は

私の性分にきっとすごく合っていて

小川先生だから

成徳だから

卒業まで続けられたんだと思います。

 

私たちの学生時代の女子バレー界は

はっきりいって暴力体罰なんでもござれ(笑)

だけどもそんな中で、

下北沢成徳高校はそれをしない

なのに強い。なんだか自由。

他の強豪校たちにも嫉妬されるような

稀有な空気感を放つチームでした。

 

小川先生の厳しさはいつも、

その「自由」の中にこそあったと思います。

ことあるごとに監督に怒鳴られ

時には手を挙げられ

恐怖で否応なくチームが統率されていく。

これって果たして「厳しい」のか「怖い」のか?

 

本当の厳しさは、

自由の中に自主性を求められ

自分で考えて自分で行動していく

「さあ君たちでそれを考えてやってみろ」

こちらの方がよっぽど難しいのです。

 

怖いのは先生の喝ではなく、チームメイトたちの目。

手を抜けば一発でバレる。

そういう人はもう信頼されない。

365日のうち350日ぐらい顔合わせる仲間に

信頼されないことほど怖いことはないのです。

 

小川先生の厳しさはいつも、

拳ではなく

その「言葉」の中にありました。

高校生にはとてもハイレベルな

きっと多くの社会人にとっても

咀嚼して身にするのは高度な内容だと思います。

 

だけど私は、

小川先生の紡ぎ出す

幾重にも複雑で、あるいはシンプルな、

どこまでも奥深いその言葉たちが大好きでした。

「先生は何を伝えたいんだろう」

「私は自分のフィルターと通してどのように皆に伝えよう?」

「どうすれば人は動く?」

「どうすればモチベーションは高い位置でキープされる?」

「どうすれば強いチームは作れるんだろう?」

 

毎日毎日もらった言葉の意味を考えて

自分なりに伝えるけど伝わらなくて、

試行錯誤を重ねては涙する日々でした。

その苦悩した時間で経たものこそが、

間違いなくその後の人生の礎となっています。

 

人生の中でこんなにも大きな存在の恩師に出会えたこと。

恋も、遊びも、おしゃれをすることも

普通の学生が過ごすキラキラした日常は

なにひとつなかったけれど、

汗と、涙と、泥と、汗と、、汗と汗(笑)

誰しもが経験できるわけではない10代を

成徳で、小川先生のもとで過ごすことができて

本当に幸せ者だと思います。

 

そして、勇退パーティには

人生の恩師たちが大集合する、またとない機会でした。

 

なんといっても我らが成徳中等部監督の

安藤先生✨

まだまだクソ生意気で、ムラっ気出しまくりの

自分勝手なわがまま選手時代に

性根を叩き直してくれたのは

間違いなく安藤先生だと思います。

安藤先生の教えがあってこそ、

その後高校に上がってからの小川先生の高度な指導に

ついていけたんだと思います。

 

 

そしてタイソンさんこと、我らが柴田トレーニングコーチ✨

アメフト出身、あの室伏広治選手の体をつくり

NBA 田臥勇太選手率いるチームも見てこられた

今やトレーナー界のカリスマ✨

ある日この方が成徳にやってきてからというもの、

ボールを追っかけている時間よりも

ダンベルあげるか、走ってる時間の方が長いんじゃないか?

というほどカラダ大改造されました。

 

おおよそ花の女子高生とはかけ離れた体つき。

授業中に手を上げたら、上腕筋が発達しすぎてて

セーラー服の袖が破れたのもそのせい .. おかげです(笑)

 

 

そして最後は、成徳影の立役者。

私の小学生時代のチーム

新宿柏木クラブ 佐々木監督✨

人生を振り返った時に、

ふらりと成徳に入ったことが

間違いなくターニングポイントで

でも今思えばそれを裏回ししていたのが

佐々木監督だったように思います。

自分でも気づいていなかった才能を見出して

一番伸びる環境に押し込んでくれた(笑)

 

3ヶ月前に初めての子供を産んで

「この子の才能はどんなところにあるんだろう?」

と今からワクワクしますが

子供が自分できづくことってなかなか難しいし

気づいても活かせる環境に

どう進めが良いのかわからないはず。

両親以外にもあれほど熱心に

才能を見出してくれた人がいたって

本当にラッキーなことです。

 

全ての恩師たちに、愛と感謝を込めて。

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