自身の不調から目覚めた東洋医学への道。
「外面・内面・精神」のバランスを高める
"三面美容" を追求したい。

匠STORY

美容鍼灸師|倉内夕

プロフィール

倉内 夕 (くらうち ゆう)
美容鍼灸師
Total Beauty Salon Hariest 院長

大学生の頃、自律神経失調症・パニック障害を経験したことを機に東洋医学の魅力を感じ、鍼灸 あん摩マッサージ指圧師を志す。大学卒業後、東京衛生学園専門学校へ入学するも、受療率が低くマイナーな鍼灸業界の現実を知り「美容」を切り口に業界全体を活性化させるべく、表参道の人気美容鍼灸サロン「ハリジェンヌ」へと入社。その技術は多くの芸能人にも支持され、多数のメディア露出、セミナー講師としても活躍。エステと美容鍼(東洋医学)を融合させた”即効性のある・痛みの少ない” フェイシャル施術を得意とする。

【保有資格】
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師 (国家資格) /オリエンタルリンパドレナージュセラピスト / スキンケアアドバイザー

Story

 

ーー美容鍼というと顔をメインに施術する印象ですが、そもそもなぜ顔に鍼をうつことで美容効果が期待できるのでしょうか?

お顔の筋肉の多くが“皮筋”と呼ばれ、通常体の筋肉は “骨と骨”を繋いでいますが、お顔の筋肉は “骨と皮(皮膚)”を繋いでいる部分が多いんです。これにより体よりたるみが出やすく、老けた印象がお顔に出やすい理由がそれなんです。逆に、お顔の筋トレをすることで皮膚はリフトアップされやすいです。つまり、お顔というのは、放っておけばたるみやすく手間をかければ結果が出やすい、ある意味わかりやすい部位なんですね。

 

ーーなるほど、だから鍼って即効性が期待できると言われやすいんですね。夕さんが鍼灸師になろうと思ったキッカケはなんですか?

最初は普通に就職しOLになるつもりで大学に入りました。就職活動にも取り組んで、説明会へ行ったり履歴書を書いたりする日々を過ごしていましたが、ちょうどその頃に自律神経が乱れてしまい、吐き気や腹痛、下痢などがほぼ毎日続くようになってしまったんです。特に辛かったのは、微熱が1〜2ヶ月続いたことでしたね。これは何かの病気かもしれないと思い、病院に行って一通りの検査しましたが、異常はないと言われました。「ストレスや自律神経の乱れかも」と言われ、検査結果には異常がないため、処置のしようがありませんでした。「病気ではなかった…」 という安心感はあったものの、「でも、だったらこの症状はどうやすれば良くなるのだろう」という疑問が残り、いろいろ調べているうちに、「東洋医学」という考え方に出会いました。症状の出ている部位に直接的に焦点を当てるのではなく、「自分の体質を根本から整えていくことで様々な不調を改善してゆく」という視点を持っていて、「すごく魅力的だな」と思ったんです。

その頃就職活動をしていましたが、どこか企業に入ったところでその仕事を一生やりがいをもってイキイキと働けるのかと考えたときに、あまりイメージが湧かなかったんです。また、女性なので、いつか結婚するかもしれないし、しないかもしれない。もし結婚したら夫の転勤があったり、出産、育児がやってきたりと、いろいろ考えていくうちに、「手に職があったら安心かも!」と思ったんです。そこで、気になっていた「東洋医学」のジャンルには国家資格があるということを知り「やってみたい!」と、もうピーンと直感で。そこから、鍼・灸・あんまマッサージ師の資格を取るために専門学校へ行こうと決めました。「自分の体も楽になって、人の体も楽にできたらすごくいい!」と思いましたし、さらに手に職をもてたら最高だなと思ったんですね。

 

ーーやりたいことが見つかるまでに、ご自身の体調を通じて実体験で学んでいったんですね。

そうですね。辛かった体調不良も今となっては自分の道を見つけるための過程だったんだなと感謝しています。また、”手に職をもつこと”の強みに学生時代に気づくことができて良かったなとも思っています。

 

ー確かに、早い段階で自分を見つめ直す機会が持てたという意味ではすごく貴重な体験をされましたよね。でも体をケアする資格って色々あると思いますが、なぜ ”鍼灸師”を選んだのですか?

まず ”東洋医学”という点が魅力的でした。それから、医療の資格っていうと医師、栄養士など色々あげられますが、大学卒業後にまた6年通う・・となると、金銭面や時間の問題が出てくるかなと思ったんです。また、どちらかと言えば”癒し”の要素に興味を持っていたので、鍼、灸、マッサージの資格が魅力的だなと思いました。

 

ーー大学生活と専門学校生活は違いましたか?

そうですね。大学時代は”楽しむ”って感じで生活していましたけど、専門学校では周りもみんな志が高い方ばかりだったので、気持ちが引き締まる思いでしたね。「みんな目的を持って来ているんだ」「私もちゃんとしなきゃ」って(笑)

 

 

ーー専門学校に入ってから鍼灸師になるまではどのように進まれたんですか?

色々と学んでいくうちに、日本での鍼の受療率がとても低いことを知りました。1割ぐらいしかなくて、とても残念なことだなと思ったんです。せっかく自分の仕事にしていくならもっと受療率を増やしていきたい、社会的にもニーズがあるようになれば業界も潤うし、お客様も幸せになれると考えていました。そこで、自分自身も含め ”キレイになりたい” という想いは常に女性の根本にあるでしょうし、女性の口コミ力ってすごいものがあることから、卒業後は治療メインではなく “美容専門”の鍼灸サロンへ就職しました。

 

ーー 20代前半から、ちゃんと色々なことを考えて道を進まれていたんですね。

いやいや… もともと考えるのはすごく苦手でロジックが成り立ってない人間なんです(笑)なので、ところどころ直感で動いていましたね。独立に関しても、始めた頃は全くそういう考えは全くなくて、安定してある程度のお給料をもらっていたら幸せだなと思っていたんです。ところが、いざ働き始めたら「お客様一人ひとりに合わせてもっとこんな治療をしてあげたいな」とか、「お客様ともっと深く関わりたいな」と思うようになりました。

しかし会社としてはスタッフ皆が均一の技術をすべてのお客様に提供できるように、ある程度マニュアル化させる必要がありますよね。自分勝手に創意工夫したオーダーメイド施術をするというのは求められていないし、お客様とも一定の距離感を保つ必要があります。そういった部分で段々とモヤモヤが溜まっていって… でも、そこで会社に文句を言うくらいだったら自分で独立した方がいいなと思いました。そうするべきだなと。そうして2年間ほどお世話になった会社を退職しました。

 

ーー「文句を言うくらいだったら自分で独立した方がいい」全くもってその通りとはいえ、実際に行動に移せる方は少ないですよね。そうすると27歳くらいで、独立の意思を固めたんですね。やっぱりその辺りで一旦人生の転機きますね。

そうですね。30歳を一つの区切りとして、道を定めてく感はありますよね。そうして独立後、業務委託などで、2、3箇所のサロンや治療院にお世話になりましたが、そのうちの一つの治療院の院長さんが、芸能事務所にも所属している芸人さんだったんです。そこでのご縁を機に、芸人さんを始めメディアで活躍されている方なども施術をさせても頂きました。それまで、1つの会社で働いた目線しかなかったので、視野を広げていきたいと思い、退社後2年間は、フリーという形で色々な場で活動させていただいた時間でした。

 

ーー正社員として働いていた時とフリー転身後で、働く意識は変わりましたか?

フリーの2年間はやはり収入も安定せず「ちゃんとやらなきゃ死ぬな」っていう危機感はすごくはありましたね(笑)ただ、自分のやりたいようにできるので、正社員の時と比べるとたいぶストレスがなくなりました。自由にやる方が私には合っているんだなと感じましたね。

 

ーそこから、「自分のお店を持とう!」と思ったキッカケっていうのは?

三重と名古屋で女性向けの美容や不妊治療の鍼灸院をされている方がいるんですが、自分のお店を始めることになる半年前くらいから仲良くさせてもらっていて。その方が私の施術を受けてみたいと言うので、実際に行なってみたところ、「その技術があれば、1人でも絶対やっていける。あとは経営の方法とかを学べば独立できるよ!」と言ってくださったんです。

でも、その時の私はなかなか独立に踏み切ることができなくて、「あぁ、そうですか、そうですか…」ってとりあえず流してたんです(笑)なぜかというと、 “開業する=店舗を持つこと” だと思い込んでいたのでちょっとハードルが高くて踏み切れず..しかし、日を改めてその方とお話したときに「東京にはレンタルサロンやシェアサロンなどがあるから、資金が少なくても始められるよ」と言ってくれて、「あ、そっか!」と思った瞬間に一気にやる気が出てきたんです。「それならできるかも!」って思えたんですね。

単純なんですけど、それが大きなキッカケになりましたね。背中を押してくれたって感じです。

 

ーーまさに、今の時代ならではの起業の在り方ですね。

それからは必死になってレンタルサロンやシェアサロンを探しました。”施術で効果を出す”というのは鍼灸師として当たり前だと思っているので、それにどう “付加価値”をつけるかということを考えていました。それはやはりサービスだったり、内装だったり、ホスピタリティの部分を大切にしたいと思っていたので、それに見合うようなサロンをなんとか見つけスタートしました。

空間のクオリティも申し分なく、すごく気に入ってはいたのですが、1年ほど活動しお客様が増えていくにあたってシェアだと予約スケジュールの調整などが不便なことも出てきたんですね。その頃には独立してやっていくことへの経験値もついていたので、「自分の店舗を持とう!」って腹をくくりました。そう決めてからは不思議なご縁の連続で、今に至ります。

 

ーそれまでやってきたことに自信が持てたことで、数年前には踏み出せなかった店舗開業に至ったわけですね。
夕さんの施術は、鍼だけでなくエステの要素も存分に入っているのが魅力的だなあと思いましたが、心がけている点などは?

”鍼”って「痛そう」「怖い」と思われる方が多いので、”それを上回るリラックス感” を提供することを心がけています。緊張すると痛みを感じやすくなるので、最初からなるべくリラックスしていただけるように、お茶出しやカウンセリングのところから柔らかく丁寧に接していくことも大切だと思っています。

それから美容の視点も大切にしていて、メニュー名も「エステ美容鍼」にしているんです。エステという要素を加えることにより「癒し要素がありそう」「キレイになれそう」「気持ちよさそう」と思っていただけるかなと。「エステと東洋医学を融合させた美容鍼」を広めていきたいですね。

 

ーーエステのリラックス感と鍼の即効性、まさに「一石二鳥」ですね!

そうなんです!両方のいいとこ取りを目指していますね(笑)

 

ーー私もよく鍼を受けますが、やはり施術後に見た目にも体感にも感じられるあの即効性は大きな魅力だと感じます。でもなんで”鍼”って即効性があるんですか?

鍼をうつと筋肉や皮膚に微細ではありますが、傷をつけることになります。人間の体には治癒能力があるので、傷がついたところを治そうとして、細胞がたくさん集まったり血流が良くなったりします。自ら良くしようという力が一気に働くので、効果を感じやすいんです。また、筋肉に鍼を貫通させていることになるのですが、神経伝達の関係で筋肉が一気に緩みやすくなると言われています。

東洋医学で ”経絡・経脈”といわれる体の中をつないでいる神経があるんですが、たとえば、足の甲と目、足の甲と肝臓、がつながっている部分に鍼をうつことで、目や肝臓の疲れにアプローチしていくという具合です。ただ鍼をはじめ東洋学には、説明しうる限りでない神秘的な要素が多いことも事実ですね。

 

ーーそういった、痛みや不調が出ているところに間接的に働きかけていくというのは東洋医学的な考えなんですか?

最近では筋膜リリースやトリガーポイントなど、西洋的な「反応点治療」というのもよく耳にしますが、病んでる部分への直接治療だけでなく、心も含め、体はみな繋がっていて関係し合っている、というのは東洋医学の根本的な考え方になりますね。遠隔治療、ツボ、経絡がそれにあたります。

 

ー夕さんのサロンにいらっしゃるお客様は、どんなお悩みをもっていることが多いですか?

やはり、肌質改善とリフトアップ、小顔になりたいというのがとても多いですかね。それらにプラスして肩こり、腰痛、生理痛など体の悩みも解決できたらなというお客様が多いです。

 

ーー鍼で肌質改善にもアプローチできるんですね。

そうなんです。先ほど申し上げたように、鍼をうつことで血液の流れが活性化し、栄養が隅々まで送られることで肌質改善が見込まれます。また、お肌のターンオーバーを促してくれたりと、生まれ変わりが遅くなっているのを、正常化するお手伝いができます。

 

ーお客様に伝えたいことは?

常に自分にできる1番良い施術を行なっていたいと心がけているので、前回の施術から数ヶ月後にお会いすると、施術内容が微妙に違うことがあるんです(笑)ベストな施術をアップデートをし続けたいと思っています。また、プロとして結果を出すことは当たり前ですので、それ以外にも内面からの健康アプローチ、精神面での癒しやリラックスを大切にしています。「三面美容」という言葉があって、”外面美容・内面美容・精神美容”のバランスを高めていくことでお客様がより美しくなれると考えています。あとは施術後に「効果をすぐに感じられる!」という喜びの声をお客様や同業の方たちからも頂きます。”即効性”と”痛みが少ない”が売りですね!

ーーすでに多くのメディアにも取り上げられ大活躍されている夕さん。今後の目標はなんですか?

先にお話ししたように、日本における鍼灸受療率は1割。そもそも美容鍼や鍼灸を知らない方、受けたことがない方が多い現状です。メディアだったりSNSだったり、どんな形であれ私自身がどんどん露出をしていくことで、「あ、この人鍼灸師なんだ」「鍼灸ってなんだろう」「鍼ってなんだろう」というキッカケづくりをしたいなと思っています。技術が優れている、知識が豊富という方が鍼灸業界にはたくさんいらっしゃるのにもかかわらず、鍼灸自体に興味を向けられていないことが、業界全体に足りない部分だと思うんですね。そういった部分を率先して積極的に動いて、鍼灸自体の認知を高めていけたらなと思います。

 

ーー自ら動いて鍼灸をキャッチーな存在にしていきたいと。
そうなんですよ!”キャッチー”ってとても大事だなと。
それから、個人の目標としてはプライベートの時間も大切にしていけるように、ON・OFFの切り替えをしっかりつけたいと考えています。今はまだまだ仕事の方にフォーカスを当てていますが、ゆくゆくはプライベートとのバランスも取れた働き方をしたいなって。

とうのも、プライベートが充実していることで、よりよい仕事が提供できると思っているからです。施術は詰め込みすぎずお客様へのサービスの質の向上に努めたいですし、そのためにはもっと勉強してインプットするための時間も必要、さらに業界全体のボトムアップのためメディア露出やセミナーなどでお話しさせていただく機会も設けたりなど、多角的な活動をしてくのが目標です。

 

ーー夕さんの目標も”三面”ですね!
あ、本当だ!(笑)目標に”三面”とは思っていなかったけど、自然にそうなっていましたね。私自身もバランスのとれた三面美容を目指していきたいと思います!

 

メッセージ from Yu Kurauchi

皆様にとって「美しさ」とはどのようなものでしょうか?すっきりとしたフェイスライン、むくみのない体、優しい心。どれも正解だと思います。全て(外面・内面・精神面)のバランスが取れていることが大切だと思うのです。三面美容(外面・内面・精神面)は三つ巴です。精神が乱れていると自律神経系等によくない影響を及ぼし、お肌に不調が現れ、憂鬱になるという悪循環を引き起こしかねません。
当サロンでは、お客様にトータルケアをさせて頂くことを目標としております。鍼やマッサージ、エステ施術による外面ケア、内臓系や自律神経系、ホルモンバランス系に関わるツボを使ったお施術による内面ケア、そしてお客様とお話をさせて頂いたり施術中リラックスして頂く精神面でのケアです。
完全予約制のプライベート空間で、お客様お一人お一人とじっくり向き合い、三面美容が磨かれるようなトータルケアをご提供させて頂きます。是非とも日頃頑張られているご自身へのご褒美&定期的なメンテナンスとしてお越しくださいませ。

 

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